東南アジアの蒸し暑い気候を、独特の爽やかな風味と辛味でパワフルに乗り越えるタイ料理。人気のエスニック料理のひとつであるタイ料理は、スパイスとハーブがなければ始まりません。そこでタイ料理でよく利用されるスパイスやハーブを5種類選び、特徴と合わせてご紹介させていただきます。
もちろんすべてが簡単に手に入るものばかりではありませんが、タイ料理でよく利用されるスパイスやハーブの特徴を知ることで、日本にある食材で代用できるものもあると思います。家庭でおいしくタイ料理を楽しむために、ぜひ参考になさってくださいね。
目次
レモングラス(タクライ)
タイ料理の辛味・塩味の中に感じる独特の爽やかな香りの正体は、このレモングラスです。その香りはレモンよりレモンの香りといわれ、フレッシュなレモングラスはいつまでもそばに置いておきたいと思うような、柑橘系の香りの中に草原のような清々しさを感じるハーブです。
香りによる鎮静作用の他、抗うつ・抗炎症・利尿・解熱作用など、たくさんの健康効果があるため、料理にもハーブティーにもよく利用されます。
レモングラスの茎にひき肉を付けてグリルした一品は、まさに香りを味わう料理で、酸味がないのも特徴です。
コリアンダーリーフ(パクチー)
タイ料理とパクチーは、切っても切れない関係にあるといっても過言ではないくらい、様々な料理に使われています。日本でもパクチーは特に女性に人気で、食材が見えなくなるほどパクチーをのせる方もいらっしゃいますね。
そこまで大量のパクチーを使うわけではありませんが、葉はスープ・麺・おかずのトッピングに、根はグリーンカレーや肉の臭み消しに、種は乾燥させてコリアンダーシードとして、捨てるところがないほどに使いこなします。
セリ科特有の爽やかな香りとかすかな苦味を伴う特徴的な風味は、苦手な方もいますがビタミン・ミネラルが豊富。デトックス効果の高さも人気の秘密です。
こぶみかんの葉(バイマックルー)
英語ではカフィアライムリーフと呼ばれるこぶみかんの葉も、タイ料理には欠かせないハーブで、こぶみかんの葉が入っていないトムヤムクンは邪道と言われるほど重要視されています。
爽やかな柑橘系の香りが魅力で、抗酸化作用・消化促進などに効果を発揮します。
カー(ガランガル)
“タイ生姜”と呼ばれるほど見た目も風味もそっくりですが、より香りが強く、“南姜(なんきょう)”“芳香生姜”とも呼ばれます。身体を温め消化促進・呼吸器系の不調の改善に効果的です。
ホーリーバジル(ガパオ)
日本で手に入るバジルよりも香りが強く、食欲をそそる香ばしさと清涼感のあるスパイシーな香りが特徴です。抗酸化作用・免疫力向上に効果がある他、アメリカでは「メンタルに効くハーブ」、インドでは「不老不死のハーブ」と呼ばれるほど、健康効果が高く人気のハーブです。
スパイスとハーブを使ってタイ料理と仲良くなろう!
他にも酸味づけに使われるタマリンド(マカーム)やスペアミント(サラネー)、甘くまぁるい香りづけにパンダンリーフやプリッキーヌーという唐辛子・チャイニーズセロリ(クンチャーイ)など、タイ料理独特の風味には、様々なスパイスやハーブが使われます。日本では生では入手が難しいものもありますので、乾燥のものを利用したり、そのスパイスとハーブの特徴をうまく代用し、おいしいタイ料理を楽しみましょう。